――実際に患者さんと接する中で、先生が最も大切にされていることは何ですか?
女性の方って、雑誌などを読んで服や化粧品について一生けんめいに情報を集めて、自分がキレイになるためには、どんなものが必要かをじっくりと考えて選ぶでしょ。 それと同じで、アンチエイジング医療でも、根本的にキレイになるための方法を自分自身で考えて選んでほしいんです。だから、僕はまずは自分の体について知っていただくことから治療を始めます。 たとえば、あなたの女性ホルモンは何歳ぐらいの状態で、こういう栄養素が不足しているから、こういう症状が出ている、ということとか科学的なデータとして今の医学でわかることはすべて知っていただく。その上で、どんな治療を受けていただくか、患者さんご自身に選んでいただくんです。 僕らドクターの役割は、患者さんが自分に合った治療を自分自身で選択するために、持っている知識や情報、経験などの材料を、患者さんに精いっぱい提供することだと思っています。
――先生が考える美しさとはどんなものですか?
うちのクリニックがコンセプトとして掲げているものに「内外美容」があります。これは、細かくいえば、細胞レベル、血液レベルなど体の内側から、しっかりと正常化を保つことで、それが美容のベースになるという考え方なんです。 日本でのアンチエイジングに対するイメージって、実は、いろいろな商品のキャッチコピーなどで見るけど、本来の意味をきちんと理解されないまま、間違った流行として広まってしまった。 アメリカなどではね、体の根本から本当の意味での健康を追求する新しい医学分野として、アンチエイジングが認識されているんです。アンチエイジングによる自己管理が、人のステータスにもつながっていて、日本ではまだない感覚だよね。僕は、自分の老化をしっかりと認識して、うまく付き合って生きていく方法が、アンチエイジングだと考えています。 日本人は、よく何十万とかするブランドのバックとか頑張って買うよね。表面を着飾るような美しさばかりに目がいきがちだけど、本質的なことを考えるとそうじゃなくて、体本来の美しさを保つような考え方をもっと持ってほしいと思っています。 いいように見えてすぐぼろぼろになるブランドもあるでしょ(笑) それは内側がしっかりしてないから。でもね、内側の治療をすれば、外的な治療の効果も高まってくるんですよ。内側がキレイになれば着ている服だってもっと映えるはずだから。
――「内外美容」の考え方が広まれば、アンチエイジング医療がもっと身近な存在になりそうですね。
そうですね。保険診療はあくまでも必要最低限の医療。今よりもより健康的に美しくなるために、自分で求めて探し選択する医療は自由診療ですよね。自分自身をよく知って、これからは、医療も自分で求める時代になっていくと思っています。自分の状態を知っていて放置するのと、知らないで放置するのは全然違う。だから、早めにケアをして維持していけば、最終的に大きなお金もかからないし、自分の理想とする美しい年のとり方を重ねていけると思いますよ。
――先生のクリニックはホテルのような居心地のよさですね。
アンチエイジング医療に携わって、いろんな人たちに出会って、いろんな形で社会に貢献しているお話をきいて、医療も本来はサービス業の精神でないといけない、と行き着いたんです。だから。患者さんには心地いい空間で過ごしていただいて、気分もよくなっていただいた上で、治療を受けていただきたいと考えています。
僕らが医者という職業を続けていられるのは、患者さんに来ていただけるから。これは、世の中では当たり前のことなのに、医療業界ではなかなか徹底されていない。だから、このクリニックでは、治療の結果だけでなく、サービスの質もできる限り向上していきたいと思っています。そして、最高のサービスを提供するためには、クリニックのスタッフ一人一人の誰かが欠けてもだめで。クリニックに携わる全てのスタッフがいて、常に高い心指しをもって努めていくこと、そこで初めて素晴らしい医療が成り立つと考えています。
ドクターはよく偉いといわれるけど、偉いって自分が思うことじゃなくて、周りが決めるもの。偉ぶって上から教えてあげるんではなくて、一緒に情報を分かち合うものだって思っています。 僕は、もともと脳外科に勤務していたんですが、当時は、救急救命で意識のない患者さんをとにかく自分のベストを尽くして助けることがすべてだったんです。一方通行の治療をするしかない状態。それに比べると、アンチエイジング医療では、患者さんと相互に意思を交わしながら治療を行っていく。 話し合う中で、僕自身が学ばせていただくことも多いですし、何よりも人と触れ合うことが楽しいです。究極の理想を言えば、『Dr.コトー』のように患者さんと向き合えるのが理想ですね。現実はドラマのようにはいかない部分もあるけど、ただ、ドクターとして、自分の持っている知識を世の中に還元して、少しでも多くの患者さんたちに喜ばれる医師、クリニックでありたいとを思っています。